2014 日本ダービー「恋する馬連予想」
2014 日本ダービー「恋する馬連予想」
付き合って下さいと告白してから早1か月。
一応OKはもらったけど、レッドリヴェールは不満だった。
ちゃんと付き合っているのかどうか、イマイチ煮え切らない彼氏イスラボニータの態度に業を煮やし、くすぶっていた想いを彼女はついに彼にぶつけてしまった。
「ねえイスラ君、本当に私のこと好きなの?」
「え、え?」
「ちゃんと私のことだけ見てくれないと、私不安になっちゃうよ」
「う、うん」
彼の瞳の奥に狼狽の色を見た彼女は哀しそうに言った。
「知ってるのよ私。イスラ君が、本当は私じゃなくてハープちゃんのこと想っていること」
「な、何を言ってるんだよ」
やっぱり……。
疑惑が確信に変わった彼女は、なげやりに言った。
「私、ワンアンドオンリー君にコクられてるのよ」
「そ、そうなんだ……」
「なにそれ。他に言うことないの?」
(俺だけを見ていろと抱きしめてくれることを、少しだけ期待していた私が馬鹿だった……)
「いや、僕、もうハープちゃんのことは吹っ切れてるよ」
意外な言葉に、レッドリヴェールは涙でにじんだ瞳でイスラボニータを見上げた。
「えっ? そうなの?」
しかし、次の台詞に彼女は打ちのめされた。
「ごめん、だけど今はヌーヴォレコルトちゃんが好きなんだ」
「イスラ君の馬鹿っ!」
走り去る彼女から、イスラボニータは悪びれる風でも無く目を逸らした。
そしてその視線の先に、2人の様子を見ていたらしい馬影を見つけて身構えた。
「立ち聞きですか? 趣味が悪いですね」
彼がそう言った相手は、トゥザワールドだった。
「うるせえ。調子に乗ってるんじゃねえぞ!」
駆け寄ったトゥザワールドは、思いっきりイスラボニータを蹴った。
「お前に牝馬を愛する資格はねえ!」
そう吐き捨てると、レッドリヴェールの後を追いかけて走った。
「待ってレッドちゃん!」
ようやく追いついたトゥザワールドは、彼女の肩をつかんで言った。
「俺と付き合ってください!」
一方その頃、蹴り倒されたイスラボニータを抱き起こす者がいた。
「まったく酷いことしますよねトゥザの奴。あいつはいつも王様気取りだから……」
トーセンスターダムだった。
「大丈夫ですよ。あなたには私がついていますから」
それはエリートの歪んだ愛情であることに、イスラボニータはまだ気付いていなかった。
BLかよっ!
2014年 日本ダービー 馬連 5-16 買います!
(※13-17は買いません!)
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