『ノマドと社畜の唄』

ノマド社畜の唄』

ある晴れた 昼さがり スタバへ 続く道

電車が ゴトゴト 社畜を 乗せてゆく

哀しい社畜 切られて行くよ

悲しそうな瞳で 見ているよ

ノマドナ ドナ ドナ ドナ 意識は 高い

ノマドナ ドナ ドナ ドナ 仕事は 来ない

 

あんまり深く考えずに作ったこの替え歌、ツイッターに落としたところ、

思わぬ展開。

篠岡ヤスヒロ様(ツイッターアカウント@nanodomain)

という方が動画を作ってくれました。

まさか初音ミクに歌ってもらえるなんて!

篠岡ヤスヒロ様、感謝感激です。ありがとうございました!

 

また、この替え歌を作るにあたり、谷本真由美様(@May_Roma)の著書

ノマド社畜~ポスト3.11の働き方を真剣に考える』

にインスパイアされました。感謝!

 

やっぱツイッターおもろいわ。

ちなみに売れてない作家、天馬 翔のアカウントは(@tenma_kakeru

井の頭公園でドロップキックした思い出

東京はもう桜が満開らしいですね。

俺も早く花見に行きたいなあ。

去年は井の頭公園に行ったけど、今年は叶いそうにない。

代わりに花見山には行けそうだけど。

井の頭公園は、これまで軽く300回以上は行った思い出の公園だ。 

(もしかしたら500回以上行ったかも) 

特に、昔とある事件でJKを懲らしめようとした時、 
そのJKが学生証を池に投げやがったこと思い出した。 

JKって常任監査役じゃないですよ。

じょしこーせいです。念のため。


当時の彼女と夜の井の頭公園でレジャーシートを広げて花見してたら、 
どこからかシートの真ん中に缶ビール投げつけられた。 

しかも中身が入っていて、シートはもちろん彼女の手作り弁当にもビールがかかった。 

嬌声あげて逃げて行くカップル。 

暗がりと人ごみで見づらかったが、冷静に行方を目視。 
奴らは逃げ切ったと安心したのか、 
公園奥の橋を渡ったところで足を緩めた。 

ロックオン! 俺は追跡開始。 
人着だいたい分かっていたので、気付かれないように近づく。 

射程圏内に捕捉。自分よりずっと若い、多分高校生。 
弱きをくじくペガサス降臨。 

完全に油断して背中を見せていた男の背中に、 
ドロップキックお見舞い! 
地面に崩れ落ちる男。 
こちらを見て、即座に土下座。連れの女悲鳴。 

生まれて初めてドロップキックお見舞いしてスカッとしたので、

俺の彼女に謝れば許してやることにする。 

彼女の待つシートまでそいつらを連れ戻し、謝らせた。 
その頃にはもう怒りは鎮まってたけど、 
「未成年だろ、ビール飲んでいいのか!?交番(公園内にある)行くか?」 
って説教したら、女が池に何か投げた。 

放免した後、その何かを池から手繰り寄せたら、 
杉並区の某高校の学生証だった。 

以上ノンフィクション。 
私が血気盛んな若かりし頃のお話でした。 

おしまい 

俺の大介がこんなに総受けなわけがない(嶋バージョン)

 元ミュージシャンの嶋大介は疲れていた。先程、TBS歌謡曲あの人は今の収録を終えて局を出たばかりである。このまま帰って眠ってしまいたいが、今日のスケジュールは旅番組のロケだ。

「はあ、いい天気だ。どうせ視聴率一桁の番組なんてやる気出ないな。こんな日は仕事をせずに遊んでいたいなあ、夜露死苦

 しかし、そんなささやかな望みは叶わない。昔一世を風靡したとはいえ、今ではブログも読者数百人程度の嶋は、このソーシャルネットワーク社会に於いて完全に時代においてけぼり。暇を持て余す身なのである。目の前の仕事を休んだら、次は無いのである。

ツイッター始めたけど、いまいちやり方が分からないんだよなあ。そういえば昨日、『100RTされたら嶋大介総受けBLを書きます』なんてpostがされていて、出来心で公式リツイートしちゃったけれど、あれからどうなったんだろう)

 ツイッターには世界各国から人種・職業・年齢に趣味嗜好を問わず様々な人種が集まる。嶋程度の芸能人でもその名に便乗して妙なことを考える輩も現れるのだ。

(まあ、どうせネタだろう。気にすることはないな)

「嶋さん」

 後ろから声をかけられて振り返ると、そこにいたのは先程のTBSのスタジオにいたADの男だった。

「いつもブログ読んでます。実は嶋さんのファンなんです。よかったらサインもらえますか?」

「ああ、いいですよ」

 ADが差し出した色紙とペンを受け取り、サインをさらさらと書き終えて返そうとした嶋の両手に、カチャリという音と共に冷たい感触が走る。

「は……?」

 突然の事態に嶋には状況が飲み込めなかった。気が付けばADによって嶋の両手には手錠がかけられていたのである。

「お、おい。一体何を……」

「おや、知らないんですか嶋さん。今ツイッターでは大変なことになっているんですよ」

 ADはポケットから取り出したiPhoneの画面を嶋の眼前に差し出した。映しだされたツイッターのTL(タイムライン)を、困惑したままの嶋は目で追っていく。

「嶋さんが昨日、リツイートしたpostがきっかけで、今やツイッターのトレンドは嶋BLで持ち切りなんですよ。それも、もしかして総受け願望があるのではないかとね」

 なんということだ。ちょっとTLから目を離している間にそんなことになるなんて。たしかにツイッターでは現実の自分と差異のあるイメージが、猛スピードで拡散していくことなど日常茶飯事ではあるのだが……嶋は舌打ちをした。

「そ、それはわかった。しかし、なんで俺は手錠をかけられているんだ?」

「え、総受け願望があるんでしょう?」

「ねえよ」

「僕、実は前々から嶋さんのことが好きだったんです。二人で愛のタイムラインを作りませんか」

 ADの手が嶋の身体に伸びる。

「お、おい! 何をするんだ、やめろ!!」

 とっさに、嶋はADの頭に強烈な頭突きをお見舞いした。

「ああっ、痛い! でも嶋さんのリーゼントにやられるならホモォ……じゃなかった本望です!!」

 逃げようと走りだした嶋であったが、そこで自分の周囲に起こった異変に気付いた。

 嶋を囲っているのは大勢の男女……それも、全員目をギラギラと光らせて嶋を見詰めている。

「な、なんだこいつら? どうなっているんだ、一体」

「そこにいるのは嶋さんを攻めたい男達と、攻められている嶋さんを見たい腐のついた乙女達ですよ。ツイッターでの情報を手がかりに嶋さんの動向を追ってきたんです。流石は情報の拡散と共有が早いソーシャル時代。これこそが嶋さんの望んだ人気復活じゃないんですか」

「こんな形は望んでねえよ! 急いで逃げないと……!!」

 しかし、ここまで囲まれてしまっては逃げ道などない。すると、狼狽える嶋の背後に、一台の車が近付いてきた。

「嶋くん、乗ってくれ!」

 車のドアが開いて現れたのは、嶋と同じリーゼント頭にサングラス。

 それは元横浜銀●ギター&ボーカル、Johnyだった。

Johnyさん! ありがとうございます!」

 嶋がJohnyのキャデラックに乗り込むと、車は人混みをかき分けて飛び出した。

「助かりました、Johnyさん。なんとお礼を言ったらいいか」

「なあに。共に昭和の歌番組のキーパーソンとしてロックンロールの流行に貢献した仲間だ。こういうときこそ支え合いの精神だぜ。それに」

「それに?」

「あのままじゃ嶋くんを独占できないじゃないか。手錠のおかげで手間がはぶけそうだよ」

 サングラス越しにJohnyの視線が嶋に注がれる。嶋の全身に怖気が走った。

「ま、まさかJohnyさん、アンタも俺のことを……!?」

「ヤリましょう RT @shima ま、まさかJohnyさん、アンタも俺のことを……!?

「ヤラねえよ!!」

「そんなことを言わないでくれ。キングレコ●ドではミュージシャン活動はしていないが、俺の股間のキングはもうこんなにおいでCome on Come onなんだよ」

 嶋がJohnyのズボンに目を向けると、それは立派なジェームス・ディーンのように……

「こらJohny! そんなもの見せるんじゃない、今すぐしまえ!」

「はああ、今すぐあなたと私の百萬$BABYをセッションしたい……」

 腹を括った嶋は、意を決してドアを開け、走る車から飛び降りた。

 嶋の身体が激しく地面に転がり、全身に激痛が走る。

「うぐぐ……どうして俺がこんな目に……」

「おい、みんな! あそこに嶋がいたぞ!!」

近づいてくる多くの足音。なんとか立ち上がった嶋だったものの、すでに心も身体も満身創痍であった。

「捕まえた!」男が嶋に飛びかかる。

「は、離せ……って、あんたは●翔●じゃないか!」

「嶋くん、俺の股間のツッパリはもうこんなに覚醒……」

「さっきのJohnyとネタかぶってんだよ!!」

「これを一発注射すればギンギンになって何回でもできるから……」

 身をよじって抵抗したもののそれも虚しく、嶋は容易く地面に組み伏せられてしまった。

 すると、周囲からシャッター音のようなものが幾度と無く聞こえてきた。携帯、中にはデジカメや一眼レフまで持ちだす者まで現れ、組み伏せられた嶋の姿を捉えている。

twitpicに投稿してツイッターに投下だ! 既成事実を作っちまえ!!」

「すごいぞ、ガンガン公式リツイートされている!!」

togetterにまとめたぜ!!」

「ガジェット通信が食いついた!!」

「コピペブログが記事にしたぞ!!」

 爆発的なスピードでネットの海を拡散していく総受けであった。

 どうしてこんなことになってしまったのか……嶋には受け入れ難い現実が次々と押し寄せる。流石にここまで混沌とした状況を精査するリテラシーまでは備えていない。

 そんな彼の気持ちなど顧みず、周囲の昂りは熱を上げていく。

「おい、ビデオ回せ! UST配信するぞ!」

「僕も嶋さんと夜の相互フォローしたいぞ!」

「俺だって嶋さんとしっぽりShimaりたいんだ!」

「みんなで楽しくShimaろうぜ!!」

「人の名前をエロい隠語みたいに使ってんじゃねえ!!」

 救いを懇願するような目で周囲に視線を向けると、見慣れた女性が一人、人混みの中に紛れていた。

 ご存知、岩●小百合である。

「あ、小百合! よかった、助けてれ!!」

「それは♥あなた♥し・だ・い!……」

腐女子だったのかよ、チクショウ!!」

 このままでは本当にどうにかなってしまう。嶋は最後の力を振り絞り、自分を組み伏せている男達を払いのけた。

「だ、誰かこいつらを何とかしてくれ!!」

「殺りましょうRT @shima だ、誰かこいつらを何とかしてくれ!!

「お前はすっこんでろグラサン!! RT @Johny 殺りましょう RT @shimaだ、誰かこいつらを何とかしてくれ!!

「やっと心を開いてくましたね RT @shima さすがJohnyさん、やっぱり僕にはJohnyさんが一番です/// RT @Johny  殺りましょう

「改変RTすんな!!」

「今日の体験談は無修正でブログに書くんですよね?」

「書くか!!」

 ツッコミを入れることに力を費やしたのが運の尽き。足をもつれさせた嶋は盛大にすっ転んだ。

「嶋さん! あんまり僕達をリムーブしないで、そろそろ男の勲章を解除してください!!」

「お前ら全員タイマンだああ!!」

Twitter is over capacity……ここから先のことは銀蠅にしかわからない。

※この物語は、星井七億さんの作品「俺の大介がこんなに総受けなわけがない」を二次利用して創作したフィクションです。大輔さんごめんなさい。

元ネタはコチラ→http://7oku.hatenablog.com/entry/2012/04/20/121251

星井七億さんのブログ→http://7oku.hatenablog.com/entry/2013/03/06/184414

 

 

 

 

ペニオク詐欺と競馬の騎手の物語

三河皇成は憂鬱だった。

 

昨年末の浮気現場スクープには参った。あの女子大生は写真誌の仕込みに違いない。ハメるつもりがハメられた。

 

さらに三河皇成はイラだっていた。

 

嫁のほしのあ●のペニオク詐欺事件だ。

 

ほしのあ●は以前ブログで、人気商品の空気清浄機「プラズ●クラスター」を1080円で落札したように見せかけ、謝礼として30万円を受け取っていた。

これが詐欺ほう助にもなりかねない行為と報道され、事の重大さに気づいて昨年暮れにブログで謝罪したが、事務所から謹慎を言い渡されていた。

 

元師匠の河野通●調教師(当時)も、暴力団絡みの詐欺事件に関与していたとして調教師免許はく奪されたし、どうして俺の周りには詐欺が多いのだろう?

 

ほしのあ●がブログで謝罪して以来、三河皇成は名古屋日刊スポーツ杯での勝利を最後に現在38連敗中だった。

 

2年8カ月にわたり掲載してきたスポーツ紙のコラムも打ち切られた。

 

だいたい浮気も俺が悪いんじゃない。別居していて事実上の離婚状態なんだし、たまに一緒にいる時も腹が減ったからと俺にハンバーガーを買いに行かせるような嫁だ。お前がメシ作れっつーの!

 

そもそも周りの反対を押し切ってまで結婚なんてするつもりじゃなかったんだ。

 

「アスリートは姉さん女房がいいのよ」なんてピロートークには騙されなかったけど、「今日は安全日よ」を信じて中田氏したらデキ婚する羽目になってしまった。

 

付き合った当初は好きなグラドルだったけど、さすがに13歳上は劣化が早い。

 

しかも、自慢のバストの形が崩れるからと妊娠後はずっとセックスレスだった。

 

俺だって健康な若い男子だ。外で発散するしかないじゃないか!

 

くそう、こんな気分で新年を迎えるなんて。せっかくの年男なのに。

 

ダメだ。切り替えなきゃ。明日から正月競馬だ。今夜は早く寝なきゃいけない。

 

三河皇成は、独り寂しくベッドに入った。

 

 

一方、ほしのあ●は焦っていた。

 

今春ベビー用品をプロデュースする計画が進んでいたが、それを見直さざるを得ないと事務所に通告されたからだ。

 

「私も詳しいことは知らなかったんです。友達に頼まれて……」

 

電話の相手は、芸能界で一大勢力を誇るママ友軍団のボス・神田う●であった。

 

芸能人がサイドビジネスで成功したかったら、神田う●に話を通すのが掟だ。

 

「あなたねえ、芸能人がオークションで空気清浄機を買うなんて聞いて呆れるわ。だいたいペニーって1セント銅貨でしょ。チップにもならないわ。セレブがオークションって言ったら美術品なの。うちの空気清浄器はプラチナカードで買った最高級品よ」

 

「それはう●さんみたいなセレブの中のセレブはそうでしょうけど……」

 

歯切れ悪くそう言い返しながら、ほしのあ●は最近稼ぎが悪い夫のことを恨めしく思っていた。

 

「芸能人ブランドなんてイメージがすべてよ。旦那さんの記事も聞いたわ。あなたは失格。ベビー用品ブランドの話はもう私にしないで。さようなら」

 

「う、う●さん・・・」

 

ブチッと非情にも電話は切られた。

 

ダルビッシュから計4億円以上の養育費をむしり取ったママ友の紗栄●が羨ましい。

 

(新人賞を獲って「武豊2世」と言われていたから付き合ったのに、とんだ見込み違いだったわ……)

 

このまま旦那の成績がジリ貧だったら離婚しても養育費が期待できないから、ダイエット本を出版したり、ブログで商品宣伝してきたのに……

 

ほしのあ●の過去のブログを見直すと、昨年12月だけでも、化粧品(美容ゲル)、育児CD、ヨーグルト、洗剤、柔軟剤、高濃度水素水サーバー、と出るわ出るわ……

 

果たしてメーカー側からいくらのマージン(広告料)があったのだろうか?

 

ステマ怖い!

 

ほしのあ●も、最近まで離婚までは考えていなかった。

 

結婚前から三河皇成が合コン好きという噂は知っていたし、13歳も年上の自分を嫁にしてもらうんだ。多少の女遊びには目をつむる。それくらいの余裕はあった。

 

でも、年下のボクちゃんなんか巨乳を武器に簡単に悩殺して玉の輿の座をゲットしたと思っていたら、稼ぎは伸び悩んでるし、思っていた以上の浮気男だったのだ。

 

子どもが生まれてママドルとして売り出すのにはイメージが大事だ。

 

流行りのキラキラネームを名付けたかったけど、責任感を持ってもらうために命名権は旦那に渡した。

 

なのに浮気が治まるどころか、写真誌にスクープされるなんて……

 

世間では、一緒に住んで旦那の面倒を見ないほしのあ●が悪いという声もあるのも知っていた。

 

でも、茨城のトレセンに住むなんて冗談じゃない。口うるさい姑と一緒に、朝早い生活なんてまっぴら。私はママ友と夜遊びするのに忙しいのよ。

 

子どもは親に面倒見てもらってるから大丈夫。私は育児よりも自分のくびれの方が大事なの。

 

(そろそろ潮時かもしれないわね。ダイエット本の印税次第では、本気で離婚を考えなきゃ)

 

産後ダイエット本は、産後数カ月でこんなにウエストのクビレが戻ったという強烈なアピールになり、ダイエットに興味のある女性への訴求力が高いのだ。

 

本当は産後ヌードも考えていた。

 

時は産後ヌードブーム。ほしのあ●のところにもオファーがあり真剣に考えたが、お笑いの山田花子の産後ヌードまでが雑誌に載ったのを知って「同列に扱われたくない」と思いとどまったのだ。これも彼女のプライドだ。

 

ほしのあ●は再び電話を手にした。

 

「もしもし、紗栄●ちゃん、慰謝料の獲り方について相談したいんだけど……」

 

 

ここは中山競馬場。

 

2013年1月5日。今年の初重賞・金杯を楽しみにつめかけた熱心な競馬ファンで、パドックは溢れかえっていた。

 

いよいよメインレース。

 

周回する金杯の出走各馬に、

「止ま~れ~」

係員の号令がかかり、騎手が整列した。

 

ほどなくして、三河皇成はシンゲ●号にまたがった。

 

「重賞だと三河は空気!」

 

すかさず誰かが口火を切った。

 

後はとどまることなく野次が飛んだ。

 

「嫁の手綱握るのも下手糞!」

 

「女子大生に騎乗するのは上手いなあー!」

 

「お前のペニオ君も黙ってなかったんだなー!」

 

「ユルシテホシーノ!」

 

「さげまんの女房をもらうと大変だなあー!」

 

まだパドックだというのに、三河皇成はゴーグルをかけた。涙目を隠すために。

 

続いて一際大声の野次が飛んだ。

 

「さげまんじゃねーよ、「詐欺まん」だ!!」

 

そうか、謎が解けた。俺の周りで詐欺事件が多いのは、嫁がさげまんじゃなくて「詐欺まん」だからなのか……

 

それに気付いた三河皇成は、鞍上でついに離婚を決意した。

 

―了―

 

※この物語はフィクションです。

 

ほしのあきさん、岡本夏生のように芸能界でたくましく生き抜いてください。

 

三浦皇成騎手、離婚する際は親権取りましょう。子連れバツイチジョッキーの看板掲げて精進してください。

 

<参考>

ほしのあきオフィシャルブログ http://ameblo.jp/hoshino--aki/

NEWSポストセブン「三浦皇成 誕生日パーティーで妻・ほしのではない女性と密着」 http://www.news-postseven.com/archives/20121225_162869.html

マルチな才能は欲しいけど、マルチ商法はイヤ

大学出て社会人になって2年目だったと思うけど、だとしたら6年ぶりで高校の同級生から突然自宅アパートに電話がかかってきた。

(どうしてうちの電話番号知ってるんだ?)

一浪して一橋大学の商学部に行った奴だ。

真面目な奴だった。確か高3の時、学級委員だった。

近況報告で盛り上がり、久しぶりに会って飲もうと誘われた。

仕事が忙しかったから断ろうと思ったのだが、

「紹介したい女性連れていくからさ」

仕事は二の次になってしまった。

待ち合わせた渋谷のルノアール。

俺は激しく後悔することになる。

彼がマルチ商法について熱く語りだしたから。

しばらくすると先輩と称する女が現れた。

浄水器とか色んな商品が掲載されたカタログを、まずは買えと言う。

確か3万円だったと記憶している。

通販のカタログは普通無料だろ!

載ってる商品もディスカウントストアでもっと安く買えるわ! 

とにかくその場での契約を迫る彼らは、俺が良く考えてからにしますと返答すると、「決断力が無い」だの「先行者利益」だの、まくし立てた。

先輩と称する女は美人だった。

とにかくよく喋る。

真っ赤な口紅。

唇のオバケかと思った。

ネズミ講じゃないですか?と、はっきり言ってやった。

そしたらデストリビューターだかなんだか忘れたけど、もう一度フローを聞かされる羽目になった。

全然成功する事業とは思えなかったので、その場でサヨナラした。

しかし、マルチ商法に侵されたこの同級生は、とにかくしつこかった。

留守電パンクするくらい。

当時そこそこ大きな金融機関の本社に勤めていた俺は、やむなく自分の勤務先に呼びだした。

アウェーの後はホームだ。

本社の応接室でもう一度話を聞くことにした。

奴はのこのこやって来た。

相変わらずベラベラ良く喋る。

右から左に受け流して

「ふーん。そんなに確実に儲かるなら、うちの会社と提携しようよ。正式な企画書作って持って来て。うちで企画会議にかけるから」

そう言って追い返してから、二度と連絡が来なくなった。